Novel

作者による作品紹介
初めてお読み下さる方、もう少しくわしい紹介文を読みたい方へ(各話 初回へリンクしています)
おすすめ読み順について


その他のお話」はそれぞれが独立・完結していますので、どの作品からでもお読みいただけます。
その中で、『小夜曲集』はいろいろな雰囲気、題材の掌編がありますので、文章がお好みに合うかどうか判断しやすいと思います。

「La Historia」はシリーズ作品ですが、各話は独立しています。「本編」あるいは「おまけ編」のどの作品からでもお読みいただけます。
はなしのかけら」一連の掌編は、本編あるいはおまけ編を読まれたことを前提に書かれていますので、後からお読みくださることをおすすめします。
ご参考までに、「La Historia本編おまけ編はなしのかけら」各作品を時系列順に並べると下のようになります。

天空の塔の物語 (古い時代の話なので、後から読んでいただいても差し支えありません)
残照(仮) (古い時代の話なので、後から読んでいただいても差し支えありません。準備中)
弧空の下
はじめての宿題
小さき花と、夏の鳥
明け月の聖なる日

魚のスープ  (他作品との接点がないので、後から読んでいただいても差し支えありません)
真冬の光
3・13
2・15

この夏の夜
祝祭日のおくりもの
春を待つ城
雫月の聖なる日
山苺
月光石
風渡の野
丸槌亭にて
 (他作品との接点がないので、後から読んでいただいても差し支えありません)
夢路


作品紹介

□ La Historia : 本編
異世界ファンタジー。ハール神によってつくられた世界にある大小の国々の物語。この世界の辺境小王国エフタとレンディアを継ぐ者たちを描く本編4作(予定)とおまけ編各種。
真冬の光
辺境の山の王国、レンディアの話。
レンディアはその年、冬の到来がいつになく早いだろうという長の言葉で収穫を急いでいた。まもなくツルギの峰は雪嵐に閉ざされ、長い冬がやって来るだろう。ろくな収穫が得られないまま冬を迎えたレンディアは、やがて予想していた飢えに悩まされることになる。
そんな中で長が死んだ。その跡を継ぐのは長の息子セディムだった。その年に十五になったばかり、いずれ長になる身ではあったがまだ先の話のはずだった。
(2010/8/16〜2018/2/17)(完結 文庫本換算約450頁)
「春を待つ城」とともに初めて書いた小説です(執筆途中で2作に分けたため、時系列では先ですが、公開は後になりました)。突然に長という立場に立たされたセディムの成長と、厳しい山国の暮らしぶりを描いており、物語世界の基盤となるお話です。

春を待つ城
セディムがレンディアの長となって八年後までの話。
毎年安定した収穫に恵まれ穏やかな日々を送るレンディアに、先の長の従兄弟ラシードが帰ってきた。セディムにとっては長となったあの冬以来の再会だ。
若い長のもとでいくつもの進展をとげた故郷の風景にラシードは驚く。しかし、当のセディムは浮かない顔つきだった。あの年、レンディアのために何でもすると言った若長はどこへ行ったのか。セディムはこの八年のことを語り始めた。
(2003/5/27〜9/27)(完結 文庫本換算約70頁)
初めて書いた小説です。気恥ずかしい点も多々ありますが、思い出も多いので表記間違い以外は修正せずに公開しています。温かく見てやっていただければ幸いです。

風渡の野
エフタの長の娘アーシアは、長年の夢がついに叶って平原へ旅をすることになった。見知らぬ隣国へ嫁ぐ前の、最後の気ままな楽しみとして父が許したことだった。そして、同行の兄ティールには、父長から命ぜられた務めがあった。
その年、辺境の小王国エフタとレンディアに平原の大国アルセナが侵攻した。故郷へ帰ることのできなくなったアーシアは助力を求めて平原を渡る。
(2004/5/5〜)(休載中) *一部流血描写あり 苦手な方はご注意ください
作者が高校生の頃に考えた設定をもとに書いています。勢いまかせの甘ったれ少女が成長することを目指して、鋭意執筆中です。


□ La Historia : おまけ編
天空の塔の物語
昔々、神さまがこの地を歩かれた頃の物語。少女アルカは神の言葉を聞く御娘(みこ)として神殿に上がった。神ハールによって特別な力を授けられ、神殿をささえる神官や乙女たちとは異なる立場を与えられたアルカは、白銀の庭園で神と言葉をかわす。一話ずつ完結。
(2004/2/3〜2017/8/1)(完結 文庫本換算約20頁)
神話や伝説の神さまは小難しく、怖ろしく思えます。でも、実は身近で優しい、ユーモアのわかる存在なのかもしれない――と、想像してできたお話です。

残照(仮)
本編より千年ほど時代をさかのぼる。当時中央平原を配下におさめていた古代王国の話。
王宮の図書の塔の娘として生まれたユナは王家の秘密を知る数少ない一人だった。彼女は幼くして死んだとされている、幽閉の身の王子の世話係であった。おそらく一生を塔で過ごすと思われた王子のもとに、ある晩王位継承の話が持ち込まれた。(準備中)

はじめての宿題
セディムが3〜4歳の頃のショートストーリー。
勉強嫌いで書物に見向きもしない、外遊びが大好きなセディムに城臣たちは手をやいていた。将来はレンディアの長となるセディムのために、父はある宿題を課した。
(2004/8/19〜9/11)(完結 文庫本換算約20頁)
セディムの父親っ子ぶり満載。いずれ父親そっくりの茶目っ気を発揮するセディムの原型が見えるお話です。

小さき花と、夏の鳥
10歳のセディムと幼馴染のノアムは、今年こそ大人たちと一緒に狩に行きたいと願っていた。しかしその願いは叶わず、二人が言いつけられた夏の仕事――それは、エフタから遊びにやってきた幼い少女のお守りだった。そして、ノアムの祖父、城臣ユルクには、とある考えがあった。
(2003/10/24〜12/20)(完結 文庫本換算約55頁)
「女の子となんて、遊べないよ」と、生意気をいう歳になったセディムと幼馴染ノアム。子供同士の事情、それを見守る大人の思惑をお楽しみください。

魚のスープ
海の都バイリスでのお話。少年ホークはディル老人の作る、美しいが安物の絵皿を売り、日銭を稼いでいた。ディルは、かつて貴族に作品を献上したこともあるという腕の持ち主だ。それなのに何故安物しかつくろうとしないのか? ホークにはそれがわからなかった。
(2003/6/29)(完結 文庫本換算約20頁)
本編「風渡の野」に登場する、口の悪い風渡りの青年ホークの子供のころのお話。舞台である港町バイリスは、本編ではかなり先まで登場しませんので、めずらしい潮風の風景をお楽しみください。

弧空の下
平原を旅する薬師ラシードの話。故郷を離れたラシードは、長いこと異国を旅してきた。見るもの聞くもの全てが旅人の心を捉えたが、一方で豊かに思えた人々の暮らしの裏側を目にすることになる。やがて、ラシードの中には故郷レンディアへの思慕とやりきれない思いがつのっていく。
(2004/1/17)(完結 文庫本換算約20頁)
下の「夢路」とともに、映像が目に浮かぶ文章にしたい、と苦心したのですが、あまりうまくいっていません。一般的な表記規則からはずれているので、読みにくい点はご了承くださいませ。
おまけ編「野営にて」つき。
(文庫本換算約1頁)

□ La Historia :はなしのかけら
本編にも、おまけ編にも入らなかった掌編。モザイク画にはまらなかった、石のかけらのようなものです。
夢路
「風渡の野」の後。セディムの夢の話。(文庫本換算約4頁) (2003/12/28)
もっとも未来の話になります。はたして本編がこの時点にまで辿り着けるかどうか? 当サイト最大の謎です。

この夏の夜
「真冬の光」の直後の話。セディムとレンディアの若者たちは夏の思い出となる遊びがしたくて、村を離れ、仲間だけでの宴会をひらくことにする。(文庫本換算約7頁)(2006/8/19)
本編では長という立場がついてまわるセディムの、めずらしく屈託ない顔を書いています。

丸槌亭にて  
月の光をとかし込んだかのような、白金色の「月の雫酒」。その一杯をめぐって、タジルの酒場の客たちがとっておきの小話を語る10の掌編集。(文庫本換算約50頁)(2006/12/25)
クリスマス企画として連載した作品。いろいろな雰囲気の民話風の話を集めてあります。劇中劇のような構成です。

祝祭日のおくりもの  
一年の終わり、夜月のおしまいにやってくるハールの祝祭日。山の小王国では、その日までに家族や友人たちのためにおくりものを用意し、隠しておく。古い神話に倣った祭りが今年も行なわれる。(文庫本換算約50頁)(2007/12/25)
クリスマス企画として連載した作品。この物語の神さまであるハールの祭りを書いていますが、現実のクリスマスとは関係ありません。各話完結ですが、順番に読まれることをお勧めします。小王国の暦 一覧つき。

明け月の聖なる日  
バレンタイン企画。姐御スーシャの甘々な日。(文庫本換算約2頁) (2004/2/14)
「小さき花と、夏の鳥」で、あっさりお嫁に行くことにした、と噂された当人の甘々新婚さんっぷりをご覧ください。

雫月の聖なる日
ホワイトデー企画。不器用セディムの気になる日。(文庫本換算約2頁) (2004/3/11)
十五で長に祭り上げられ、女の子と遊ぶ機会もろくになかったらしいセディムに若者らしい恋の機会が……やはり来なかった話。

2・15
バレンタイン企画。レンディアのバレンタインデー、そのあくる日。村で一番人気のある娘からチョコレートをもらったノアム。しかし、イベントに不案内だった彼がとった行動は……。
(文庫本換算約6頁) (2006/2/14)
のちの「風渡の野」にまで続くことになる、ノアムとスレイの友情をお楽しみください。ちなみに小王国にチョコレートはありませんので(汗)、お遊び作品です。

3・13
ホワイトデー企画。エフタのホワイトデー、その前の日。幼いアーシアは近所の憧れのお兄さんにチョコレートを贈った。そのひと月後、彼女は思いがけない話を聞かされた。
(文庫本換算約6頁) (2006/3/12)
アーシアと、「風渡の野」初めに登場した幼馴染メリナの女の子同士のおしゃべりです。

山苺  
バレンタイン企画。婚礼間近のエフタの娘二人のおしゃべり。(文庫本換算約3頁) (2009/2/12)
ティールの婚約者シアとメリナ。お嫁入り間近の女の子は山苺摘みにでかけて……やはりガールズトーク。

月光石
ホワイトデー企画。町へ出かけたティールが見たもの。(文庫本換算約3頁) (2009/3/12)
父の命と、妹のお守り、慣れない町の喧騒に草臥れ気味のティールのお話です。



□ その他のお話
CANON
中世ヨーロッパ風ファンタジー。貧しい生活から一変、王宮にひきとられた少年エリドと、愛され守られて育った王女セアラ。吟遊詩人の語る幼い恋の物語。
(2005/12/24)(完結 文庫本換算約50頁)
オンライン小説の支援サイトさまに講評をお願いしつつ書いた作品です。もっとも私の力量不足で評を生かしきれていないのですが。ともあれ、当初の形の倍は進化できました。

水をみるもの
民話風ファンタジー掌編。森のみずうみの真ん中に、夏でも凍りついている不思議なところがあった。その美しさに魅入られた森の民の子とみずうみの神のお話。(文庫本換算約5頁) (2006/8/1)
夢からできたお話です。誰もがいつしか行くことになる場所がある――そんなことを考えて書きました。

小夜曲集
詩と掌編集。一日の終わり、眠りにつく前のひとときのために。 (2004/12/28〜05/9/4)
前半24話はクリスマス企画として12月に毎日連載した作品。ファンタジーあり、現代ものあり、雰囲気もほのぼのしたものからシリアスなものまで各種あります。

夕立ち
現代もの。蒸し暑い夏、飛び乗った電車で思いがけず耳にした会話が、懐かしい故郷の昔話を思い出させる。(文庫本換算約4頁) (2004/8/7)
キリ番記念にリクエストいただいた、お題は「涼しいもの」でした。作者が実際に電車内で耳にした会話から生まれた話です。

木の花染め
高名な染色家・瀧村 志光の物語。彼は桜の色を染め出そうという、長年の夢を持っていた。
(文庫本換算約4頁) (2005/2/27)
染織を題材にした作品です。作者自身は植物染色は手遊び程度しかしたことがないのですが、作業工程を思い出して、楽しみながら書きました。

落花
染織家ゆきは父の病気の知らせを受け、幼い日々の家族の姿を思い出す。積み上げてきた仕事を投げうって、理解しあえない家族のもとへ帰ることをゆきは恐れていた。
(文庫本換算約17頁) (2007/3/28)
上の「木の花染め」の姉妹編。手織りの工程をたどりつつ、お話をつくりたいと考えました。ゆきと水上青年の間にある、恋愛に限りなく近い友情のお話でもあります。

フルーツ・バスケット
SF風。西暦2050年、温暖化がすすんだ日本では思わぬ果物の価格が上がったり、下がったり。果物、野菜をとりまく環境は大きく変わっていた。短編。完結。(文庫本換算約10頁) (2007/8/11)
ペンギンフェスタ2007参加作品。環境問題……というわりに気軽なイベントの雰囲気にひっぱられて書きました。

Christmas Carol
クリスマスの夜に思ういろいろ。Advent Calendar 2008参加作品。イラストと掌編集。完結。(文庫本換算約7頁) (2008/12/24)
「サンタクロース」、「クッキー」、「雪」などなど、可愛らしいお題をもとに書きました。普段、私が書かないような甘さを目指した作品もあります。


Good News
ある夜、ベツレヘムのかたすみで一人の子供が生まれました。聖書に題材をとった物語。短編。完結。(文庫本換算約7頁) (2009/12/23)
キリストの降誕劇です。子供向けデコレーションケーキではなく、ユーモアや切なさを織り交ぜた、甘さおさえめのショコラのケーキ……にしたかった作品です。



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