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児童書 2

 

The Original Peter Rabbit Books 1
「The Tale of Peter Rabbit」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

   The Tale of Peter Rabbit (Potter)

「ピーター・ラビットのおはなし」。むかし、むかし、4匹の小さなウサギがいました。名前はフロプシーにモプシー、カトンテール、そしてピーターです。ある日、彼らは外へでかけ、3匹はお母さんの言いつけを守りましたが、いたずら好きのピーターだけは、行ってはいけないと止められたマクレガーさんの畑に入り込みました。

 なつかしのピーターラビット・シリーズ。英語の勉強に、と借りてきました。簡単な本をたくさん読むのがいい、と聞きましたので。
 もっとも、このお話は子供の頃に読んでます。それはそれは、それは好きだった巻なので、日本語訳が思い出されて、ちっとも英語の勉強になりませんが(笑)
 なんとなく好きだったのは、

 And then, feeling rather sick, he went to look for some parsley.
 (それから、少し胸がわるくなったので、パセリを探しに行きました。)

 確かに、小さなウサギの胸やけには、ほどよい胃薬だ!
(2011.10.26)

  

The Original Peter Rabbit Books 2
「The Tale of Squirrel Nutkin」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

  The Tale of Squirrel Nutkin (Potter)


「りすのナトキンのおはなし」。森にすむリスたちは秋になると島へ漕ぎ渡り、ふくろうのブラウンじいさまを訪ねます。「ブラウンじいさま。島で木の実を集めるお許しをいただけますか?」ですが、お行儀のわるいナトキンは仲間からはぐれて遊んでばかり。

 このお話ははじめて読みました。挿絵のリスが可愛い〜。ころころ太って前足が短くて、しっぽはふかふか。うわああ、最高です!

 彼らは礼儀正しく贈り物を持って島の主を訪ねて木の実集めの許可を貰うのですが、ナトキン、まったく働いてません。それどころか、じいさまの前で歌って踊って、なぞなぞをしかけてます。このなぞなぞには、音遊びやマザーグースの詩が出てきました。ここの英語は訳すのは大変だったので、まあ、雰囲気だけ味わって。
 初めて、じいさまが贈り物の卵に興味を持ったのは、ナトキンが歌ったのがハンプティダンプティだったからだと思うのですが、どうでしょうね。

 好きだったのは、ここですよ。

 The squirrels filled their little sacks with nuts.
 But Nutkin sat upon a big flat rock, and played ninepins with a crab apple and green fir-cornes.

 (リスたちは小さな袋いっぱいに木の実を集めました。でも、ナトキンは大きな平たい岩の上に座って、野生のリンゴと青い松ぼっくりで九柱戯をして遊んでいました。)

(2011.11.23)

  

The Original Peter Rabbit Books 3
「The Tailor of Gloucester」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

  The Tailor of Gloucester (Potter)


「グロースターの仕立屋」。むかしむかし、男の人が剣とかつらと垂れ飾りのついた上着を着ていた時代。グロースターに住む仕立屋はクリスマスに婚礼をあげる市長さんの服をつくっていました。しかし、縫いかけの服を店に置いたまま病気になって、三日も寝込んでしまいました。これでは、婚礼までに衣装を間に合わせることができません。

 人間や町が登場する、こんなお話もあるんですね。これは初めて読んだ巻です。お裁縫関連の見慣れない単語が多いのと、ところどころに出てくる歌には古い単語が使われていて(quoth = saidなど)、読むのにかなり手間取ってしまいました。

 絵はどれも好きなのですが、細かな刺繍を描いた一枚はとくに素敵です。糸一本一本まで見えそう。まさにネズミでなければ「描けない」ような細かさなのです。
(2012.1.18)

 

The Original Peter Rabbit Books 4
「The Tale of Benjamin Bunny」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

  The Tale of Benjamin Bunny (Potter)


「ベンジャミンバニーのおはなし 」。ピーターのいとこのベンジャミンバニーは、ピーターと一緒にマクレガーさんの畑のかかしに着せられてしまったピーターの上着を取り返しにいきます。マクレガー夫婦は留守だったけど、そこには猫がいました。

 これは子供の頃に読んだお話でした。ベンジャミン父の歩き方は「ぴたり、ぱた」だったかな。堂々とした紳士です。グルメでもあるのです(笑)

 Benjamin, on the contrary, was perfectly at home, and ate a lettuce leaf. He said that he was in the habit of coming to the garden with his father to get lettuces for their Sunday dinner.

 反対に、ベンジャミンはすっかりくつろいで、レタスを食べたりしました。彼は、いつも日曜の晩餐はお父さんといっしょにこの畑で食べることにしているのだ、と言いました。

 毎巻、図書館で借りて、読んで返却するときに、翻訳された巻を見て自分の訳をざくっとチェックしています。
とんでもない間違いをたくさんしてたりして、勉強になるのです(汗)
 そして、翻訳でおもしろいな、と思ったのは、ウサギやリス、ネズミたちの行動があまり「動物っぽく」ならないように言葉を選ばれているような気がしたことです。
(2012.4.6)

 

The Original Peter Rabbit Books 5
「The Tale of Two Bad Mice」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

   The Tale of Two Bad Mice (Potter)


「2ひきのわるいねずみのおはなし」。赤いレンガのきれいな人形の家にはいりこんだ2ひきのねずみ、トム・サムとおくさんのハンカ・マンカは家中をあらして、いろんなものを見つけます……。

 これは、楽しい〜。
 きれいなお人形の家に大喜びする二人(?)ですが、お米の缶の中にはビーズ玉しか入っていませんし、御馳走のハムも果物も、お皿にくっついて離れないプラスチック製。つやつやおいしそうな色のハムを切ろうとしたトム・サムは、ナイフがはねかえって指をけがしてしまいます。

 "It is not boiled enough; it is hard. You have a try, Hunca Munca."

 「このハムは固いぞ。ちゃんと煮えてないな。お前、ちょっと切ってみておくれ。ハンカ・マンカ」


 もちろん、おくさんのナイフも歯がたたず。トム・サムがかんしゃくを起こしてハムを皿ごと「叩きこわす」のがおかしい。挿絵も可愛らしいです。食べられないハムに挑戦するトム・サム(か、ハンカ・マンカ)、その頬のふくらみは、もしかして無理やり何か食べちゃってますか?

 この後もお人形の服を窓から放り出すわ、枕を失敬するわの大騒ぎなのですが……でも、二人はそう悪いねずみでもありませんでしたとさ。 
(2012.2.6)

 

The Original Peter Rabbit Books 6
「The Tale of Mrs.Tiggy-Winkle」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

   The Tale of Mrs. Tiggy-Winkle (Potter)


「ティギーおばさんのおはなし 」。失くしたハンカチを探していたルーシーは、岩の奥にすむ洗濯屋のハリネズミ、ティギーおばさんと出会います。ルーシーはハンカチをみつけることができたのでしょうか。

 働き者で気のいいティギーおばさんのおしゃべりが楽しいです。
 ミソサザイの上着とか羊の(ウールの)コートも洗っちゃうのですね。2巻にも出てきた、アカリスのナトキンの「しっぽのない tail-coat(燕尾服)」には笑ってしまいました。
 また、おばさんは洗濯屋さんですが、ときに洗わないこともあるのです。

 "That's a pair of mittens belonging to Tabby Kitten; I only have to iron them; she washes them herself"

 「これは、子猫のタビーのミトン。わたしはアイロンをかけるだけなのよ。タビーが自分で洗いますからね」

 
(2012.3.20)

 

The Original Peter Rabbit Books 7
「The Tale of Mr.Jeremy Fisher」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

   The Tale of Mr. Jeremy Fisher (Potter)


「ジェレミー・フィッシャーどんのおはなし 」。さかな釣りに出かけたカエルのジェレミーですが、やっと釣れたトゲウオに刺され、今度は大きなマスが出てきます。

 まず、「どん」には笑ってしまいました。確かに「どん」が似合うユーモラスなお話。
 雨降りと、びしょびしょに濡れているのが大好きなジェレミー・フィッシャーどん。このお話は、ポターが避暑におとずれたスコットランドからエリック・ムーアという少年に出した絵手紙がもとになっているそうです。そうだよね、男の子はこんなことで叱られるなんてまっぴらでしょう。

But Mr.Jeremy liked getting his feet wet; nobody ever scolded him, and he never caught a cold!
でも、ジェレミーは足が濡れているのが好きでした。誰かに叱られることもありませんし、風邪をひいてしまうこともありません。

 りゅうとした上着をお召しになったアイザック・ニュートン卿は、とかげ、ですかね? もしかしたら、エリック少年は「科学なんて苦手」だったから、こんな命名になったのかも。
(2012.4.30)

 

The Original Peter Rabbit Books 8
「The Tale of Tom Kitten」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

   The Tale of Tom Kitten (Potter)


「こねこのトムのおはなし 」。3びきの子ねこたちはおかあさんによそゆきの服を着せてもらいましたが、あひるにそっくりとられてしまいます。

 Mrs.Tabitha unwisely turn them out into the garden, to be out of the way while she made hot buttered toast.
 タビタおくさんは熱いバタートーストをこしらえる間、子供たちを邪魔にならないように庭に追い出すことにしました。これは、うまいやり方ではありませんでした。

 うまくないね。まったくもって、危険極まりないです。特に清潔な白いエプロンを着ている時には!

 4巻で思い出された「ぴたり、ぱた」はベンジャミンさんではなくて、アヒルたちの足音でした。子供の記憶力ってすごい。それに、面白くて雰囲気ぴったりの翻訳だったのだな、と感心してしまいました。原文はこうでした。

 Pit pat paddle pat!  Pit pat waddle pat!

 waddle(よたよた歩く)とか、paddle(ひれ足)なんて、意味もぴったり。音の雰囲気もアヒルっぽいですね。
(2012.5.18)


The Original Peter Rabbit Books 9
「The Tale of Jemima Puddle Duck」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

   The Tale of Jemima Puddle-Duck (Potter)


「あひるのジマイマのおはなし」。あひるのジマイマは、自分が産んだタマゴをどこへ隠しても見つけられてしまい最後まで抱かせてもらえず、いつも不満を持っていました。とうとうガマンしきれず、自分のタマゴを隠れてこっそり産んで抱く決心をしますが……。

 ちょっとおばかさんのあひるのジマイマ。めずらしくブラックさが目立ちますね、このお話は。
 一見、しんせつそうなキツネに騙されて、あわや卵をとられそうになるジマイマ。彼女の窮地を救った犬たちもヒーローではなく……あくまで本能をもった動物なんです。
 キツネの紳士の言いぐさは、上品ゆえに胡散臭いのが面白い。

 He said he loved eggs and ducklings; he should be proud to see a fine nestful in his wood-shed.

 彼は卵やひなどりが大変好きであること、また自分の小屋にひとかかえの卵があるというのは、誇らしいことだと言いました。

 ははは…は…(汗)これは「注文の多い料理店」風なんだな。
(2012.6.8)


The Original Peter Rabbit Books 10
「The Tale of The Flopsy Bunnies」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

   The Tale of the Flopsy Bunnies


「フロプシーのこどもたち」。ピーターの妹のフロプシーは、いとこのベンジャミンと結婚して6匹の元気な可愛いこうさぎを産みました。ベンジャミンとこうさぎは、食べ物を探しにマグレガーさんの家のゴミ捨て場にいきました。たくさん捨ててあったレタスをこうさぎたちと食べたあとにマグレガーさんがやってきました。

 軽く驚き、そして感無量。いたずらしていたベンジャミンが大人になって、いとこのフロプシーと結婚しているではないですか。昔は各巻を単独で読んでいたので気づきませんでした。
 暮らし向きはつましく、食べ物がない時はいとこのピーターを訪ねるようです。そう、あのピーターもおくさんを見つけて、しっかり者の農夫になったのでした。

 それにしても、フロプシーの子うさぎたちの寝姿の可愛いこと!「さいみんこうか」のあるレタスをおなかいっぱいたべて眠りこんでしまうのですが。stuffed lettuce なんて言うらしい。レタス、「詰め込んだ」のね。
(2012.7.29)


The Original Peter Rabbit Books 11
「The Tale of Mrs.Tittlemouse」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

   The Tale of Mrs. Tittlemouse (Potter)


「のねずみチュウチュウおくさんのおはなし」。きれい好きで、やかましやのチュウチュウおくさんというねずみがいました。 ある日、長い廊下のホコリをはらっていると、次々と色々な虫のお客様がやってく るのでおくさんの機嫌は悪くなってしまいました。

 きれい好きできちょうめんだけど、意外と腰の据わった性格のチュウチュウおくさん。カナブンだろうがテントウムシだろうが、お招きしないお客さんは追い払ってしまいます。蜘蛛が一番かわいそうかな。

 カエルのジャクソンさんとは持ちつ持たれつなのではと思いましたが、足が泥だらけなので、当然おくさんの気に入るわけがありません。それでも、礼儀正しく近所づきあいしてるんですね。

 They handed him out acorn_cupfuls of honey dew through the window, and he was not at all offended.

 ネズミたちはどんぐりのヘタにハチミツを注いで、窓から手渡してあげました。


 ですから、ジャクソンさんもすこしも気を悪くすることはありませんでした。
(2012.7.7)


The Original Peter Rabbit Books 12
「The Tale of Timmy Tiptoes」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

   The Tale of Timmy tiptoes (Potter Original)


「カルアシ・チミーのおはなし」。りすのティミーは、カアチャンといっしょに冬に備えてクルミをたくさん集めました。ところが、忘れっぽい仲間たちは、そのクルミを自分たちが集めたものだと感違いし、ティミーをむりやり木のうろに押し込んでしまいました。

 日本語訳はチミー、なんですけど、どうも違和感あります。ティミーと呼ばせていただきます。

 冬に備えて、クルミを集めていたティミーと奥さんのグーディ。しかし、小鳥の人騒がせな歌のためにティミーはクルミ泥棒と間違われて、木のうろに閉じ込められてしまいます。そこには放浪生活が好きらしいシマリスがいて、ティミーにクルミをくれたり、ナイトキャップを貸してくれるなど親切にしてくれるのですが――シマリスの親切にはご用心!

 Timmy Tiptoes grew fatter and fatter!
 ティミーはどんどん太っていきました!


 さて、太った体でどうやって穴から這い出すことができるでしょうか?
(2012.11.2)


The Original Peter Rabbit Books 13
「The Tale of Johnny Town-Mouse」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

   The Tale of Johnny Town-mouse (Peter Rabbit)


「まちねずみジョニーのおはなし」。いなかねずみのチミーはある日、農家の野菜カゴの中で眠り込んでしまうと、カゴごと馬車に乗せられて町に連れてこられてしまいました。そこで、町ねずみのジョニーと友達になりました。

 ビアトリクス・ポター本、久しぶりの再会です。
 うっかりと野菜カゴで町へ運ばれてしまったチミーのおはなし(じゃないの? タイトルが不思議です)。田舎の庭で生まれ育ったチミーは、町の喧騒、しゃれた料理に馴染むことができず、知り合った町ねずみたちの親切よりも家に帰りたくてしかたありません。ついには気分が悪くなってしまったようです。

 Oh yes, yes, you have been most kind; but I do feel so ill
 君らは本当に親切にしてくれたけど、でもぼくはほんとうに具合が悪いんだ。


 挿絵では、彼は頭をかかえて嘆き悲しんでます。可哀相だけど、可愛い。

 しかし、それほど心配することはなかった。チミーは町ねずみに教えられるまで気づきませんでしたが、空になった野菜かごは毎週また田舎へ戻されるのです。それに隠れれば、おうちまであっという間。
 住み慣れた巣穴へ帰ってきて、羊の鳴き声しかしないのどかな牧草地でくつろぐチミーはこころなしか毛艶もよいです。そういえば、チミーはまるまると太っていますが、町ねずみたちはいかにもスマートで、上着まで着込んだおしゃれさんばかり。こんなところも面白い。

 自分で超訳をメモしているのですが、町ねずみの口調をどのくらい気取った感じにしようか、悩みました。今度、日本語版と見比べてみるのが楽しみです。
(2013.9.20)


The Original Peter Rabbit Books 14
「The Tale of Mr.Tod」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

  The Tale of Mr. Tod


「キツネどんのおはなし」。キツネどんとアナグマ・トミーは、生まれながらのかたきどうしでした。ある日トミーは、ベンジャミンの赤ん坊うさぎをさらってキツネどんの家に入り込み、 キツネどんのベッドで寝ていました。キツネどんはトミーをやっつける計画を思いつき、さっそく実行にとりかかったのですが……。

 他の本より少し長めで、読むのに手間取りました。
 機転が利いて憎たらしいアナグマのトミーと、用心深さが裏目に出がちなキツネのトッドのお話でした。アナグマとキツネのどちら強いのか、今ひとつわかりにくいのですが、どうやらキツネの方が分が悪いらしい。

 彼らのケンカのとばっちりを喰ったうさぎたちがユーモラスで可愛かったです。
 留守番中にうっかりアナグマを招き入れて、子うさぎたちをさらわれてしまった老バウンサーさん。嫁のフロプシーに怒られてひっぱたかれて……そりゃ、怒りますね。ベンジャミンといとこのピーターが子うさぎを助けに行ったあと、嫁と舅は相当気まずい時間を過ごしたようです。

 Old Mr.Bouncer, very sulky, was huddled up in a corner, barricaded with a chair.

 すっかり拗ねてしまったバウンサーさんは、椅子を盾にして隅に丸くなってしまいました。
 怒りまくったフロプシーは気晴らしに家じゅうを大掃除、バウンサーさんのパイプとタバコをどこかへ持っていってしまいます。バウンサーさんは自分の非を認めたものの「拗ねて」しまったので、フロプシーとは口もきかなかったみたい。

 最後は無事に子どもたちも家に帰り、挿絵によればベンジャミンとピーターがお父さんに新しい喫煙セットをプレゼントしたようです。ベンジャミン、気が弱すぎというか、気配りできすぎ。
(2013.10.15)


The Original Peter Rabbit Books 18
「The Tale of Ginger and Pickles」
Frederick Warne
Beatrix Potter 著

    The Tale of Ginger and Pickles (Potter)


「「ジンジャーとピクルズや」のおはなし 」。とある雑貨屋の店主、黄色い猫のジンジャーと猟犬のピクルズのお話。この店はありとあらゆるものが揃っているので、動物たちから大変人気がありますが、掛売りするので少しももうかりません……。

 これも、読みながらくすくす笑ってしまうような可愛いお話でした。
「急ぎで要るもの以外なら、なんでも扱っている」というジンジャーとピクルズ屋。何もかも掛け売り(つけ?)にするのでさっぱり儲からず、とうとう店を閉めることになってしまいます。でも、リタイヤ後もなんのかんのと楽しく暮らしているようで。この二匹の楽天家ぶりは一読に価します!

 店じまいでお話が終わりかと思ったら、同業者たちのその後の様子も面白いです。ことにヤマネのジョン氏とその娘さんが始めた店で扱っている品物は不良品――。


 Besides the candles which they sell behave very strangely in warm weather.

 それに、彼らが売っているろうそくは、暖かい日にはとてもおかしな具合になりました。


 ――あらら、融けちゃった。
(2012.2.20)


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