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現代小説 8

 

「神様のカルテ」 小学館
夏川草介 著

   神様のカルテ


栗原一止は信州の小さな病院で働く内科医。専門ではない分野の診療をするのも、睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。

 続編まで出る人気のようなので、読んでみました。なるほど、流れるような爽やかな展開で、読み心地良かったです。素直な気持ちで読みたいお話でした。
 しかし、そう簡単に素直には読めない作品でもありました(爆)
 夏目漱石を愛読するあまりに、日常会話がおかしくなっちゃっている一止(いちと)さんは面白いのですが、どうも変すぎていけない。何もかもが古すぎる。たまに、思わず漱石がこぼれてしまうくらいの人物だったら印象的だったのになあ。

 そして、素直に楽しめないもう一つの理由は、やっぱり表紙のイラスト。古風で優しい、清潔感のある絵なので、嫌う人はいないと思う。でも、登場人物たちは古風で優しいだけじゃない。不器用で、弱さもある。大いに変でもある。だからこそ、味があると思うのですが。
 まず、表紙に「みんな良い人なんです」と言われてから読むと、登場人物の変なところばかりが目についてしまったのでした。

 こんな良いことも言ってくれるのですけどね。


これでよい!
私は、唐突に確信した。
これでよいのだ。
思えば人生なるものは、特別の技術やら才能やらをもって魔法の様に作り出すものではない。
人が生まれおちたその足下の土くれの下に、最初から埋もれているものではなかろうか。


(2012.11.5)

 

「神様のカルテ 2」 小学館
夏川草介 著

   神様のカルテ 2


新年度、本庄病院の内科病棟に新任の医師・進藤辰也が東京の病院から着任してきた。彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓であった。しかし赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、かつてのその姿からは想像もできないものだった。そんななか、本庄病院に激震が走る 。

 二冊目、手にとってみました。
 前の巻よりも格段に面白く、ひきこまれました。登場人物が増えて、病院の中の風景がよく見えるようになったからだと思います。だって、こんなに人がいるとは思わなかったものなあ。大狸先生が経営者だと思ってましたよ。

 人のよい人物ばかりの中に、異質な雰囲気で入ってきたのが一止の旧友・進藤辰也。期待の新任医師と思いきや、最低限の仕事以外はいっさいせずに帰宅、あとは連絡もつかない、という状況に担当患者や看護師から批判が集まってしまう。やがて、その理由を知った一止は医師の立場のつらさをあらためて考えさせられることになります。
 どうして、お医者さんはこんな風に言われてしまうのでしょうね。多分、医師を責める患者や家族は、余裕がないだけとは思うのですが。そして、医療現場の激務は、医師、看護師だけでなく患者をも苦しめるものだと思うのですが。
 河馬親父(笑)先生の言葉が重く胸に残ります。

「人は必ず死ぬ。わしらがどんなに手を尽くしても、人間は二百歳までは生きられへん。いかに生きるかばっかりが吹聴される世の中やけど、いかに死ぬかっちゅうこともきっちり考えるのが、医者の仕事やで」


 やがて、24時間、365日開いている病院では、働く人たちもまた病に倒れる人間なのだということを一止たちは突きつけられることになります。
 やりきれなさばかりが積もる巻ですが、ハルさんや男爵さんの存在にほっとさせられます。
 そして、やりきれない事態を嘆くヒマはない、といって前に進み続けようとする医師たちの姿、その強さにもうたれるお話でした。

(2012.12.16)


「神様のカルテ 3」 小学館
夏川草介 著

   神様のカルテ 3 (小学館文庫)


相変わらず患者であふれかえっている本庄病院に新任医師がやってきた。小幡先生は経験も腕も確かで研究熱心、かつ医療への覚悟も違う。彼女には周囲が一目置くが、一止はその診察姿勢に小さな疑問を抱きはじめた。

 既刊と同じように、ほんわりとした中にも医療の現実への厳しい視線が感じられました。巻を重ねるにつれて読み応えというか、深みが出てきた ように思います。

 古狐先生亡き後の人手不足を埋めるべく本庄病院にやってきた小幡先生は腕も気配りも抜群、激務の合間に論文まで書くというスーパー医師。安心した一止でしたが、やがて妙なことに気づきます――小幡先生はアルコール関連の患者の治療を避けているのではないか、と。
 しかし、彼女の考え方は一止に医師という職についてあらためて考えさせるきっかけとなります。


 「医者を舐めてるんじゃない? 気を抜けば自分の医療は時代遅れになって、患者に最善の医療を施せない。そんな厳しい世界にいながら亡くなる患者のそばにいることに満足して、時間と気力、体力を浪費していくなんて、私からしてみれば信じられない偽善者よ」


 厳しいこと言うなあ。でも、否定できないかも、と一止と同じく返す言葉が出なかったです。
 医学は日進月歩で、新しい治療法や薬が人の命を救う。裏返せば、医師に新薬や治療の知識がなければ、治るものも治らない。だから『医者の無知は悪』という小幡先生は言うわけです。
 これまでの一止の医師としての姿勢を否定するわけではないのでしょうが、限られた時間の中で何を選ぶのかと問う厳しい言葉です。しかし、ただでさえ激務をこなすお医者さんにここまで求めるのも酷な話ですね。
 また、患者側も意識を変えろとまでは言わないまでも、病院は日常生活とは違う論理で動いていることを理解しないといけないのかも、と思いました。


「治療は投資信託じゃないんですよ」
「我々の仕事は常にゼロか百かのどちらかです。癌が80パーセントの確率だからといって、80パーセントの治療なんてないんです」



 さて、一止が担当する患者が高齢の身に負担となる大手術を受けることとなり、その診断、患者への説明をめぐる問題が起きます。そして、小幡先生の過去の辛い出来事を聞かされたことをきっかけに、一止はある決断を下すのです。
 黙って自分がするべきことに邁進しつづける小幡先生の強さや哀しみが伝わってきて、彼女がなんらかの形で報われるといい、と思わずにいられません。

 さて、これまで3作読んでどことなく引っかかるというか、違和感を覚えていたのが一止の奥さん、ハル。
あまりに現実感が無いというか、完全に一止を支える役回り(しかも、自身は写真家という仕事もしているのに)なので、どうしても物語の中で都合のいい存在にしか見えなかったのですが。
 今回は一止の悩みも深く、奥さんの透明感のある穏やかな存在感が生きていたように思います。(やっぱり“透明”なんだけど)

 あらたな一歩を踏み出す一止を送る、大狸先生たちの宴の席が温かくてせつないです。この世に完璧な人などいない、それでも其々ができることを続けるだけで何か起こるかもしれない、そう願うしかない――そんなことを「ベタだけど、そうなんだよ」と思う本でした。

 このまとまり方では、もしかしたら続編は無いのかも、という気もしますが。もし続きが出たら、また読んでみたいなあと思いました。
(2014.7.13)


「それからはスープのことばかり考えて暮らした」 中公文庫
吉田篤弘 著

    それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)


路面電車が走る町に越して来た青年が出会う人々。商店街のはずれのサンドイッチ店「トロワ」の店主と息子。アパートの屋根裏に住むマダム。隣町の映画館「月舟シネマ」のポップコーン売り。銀幕の女優に恋をした青年は時をこえてひとりの女性とめぐり会う―。いくつもの人生がとけあった「名前のないスープ」をめぐる、ささやかであたたかい物語。

 無職でやりたいこともなく、宙ぶらりんの毎日。そこから落ちるでもなく、上がっていくこともない、まさに運動量0の日々を送る大里・あだ名はオーリィ。
 ですが、そんな日常にもささやかな変化はある。小さなパン屋のサンドイッチ。古い映画。それが町の人たちと結びついてふくらみ、やがてオーリィの生活も動きだします。

 多分、せっかちな人には拷問のようなお話。夜中にひとりでのんびり読むのが合います。
 サンドイッチひとつにこめられた思いや気遣い。それに気づけば、「スープも作ってみるか」になるのに、そう長い時間はかからない。ささやかな出来事が、寝返りを打つようにころりとオーリィの毎日を転がして、やがて大きな変化となっていく。それを見守るように読むのが幸せな読書でした。

 オーリィの視点で書かれていますが、映画館で出会ったおばあちゃんの視点を想像するのもいいな、と思います。
(2012.12.22)

  

「チーム・バチスタの栄光 上」「下」 宝島社文庫
海堂尊 著

  チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

   チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)


東城大学医学部付属病院の有能な心臓手術チームに起こった、連続術中死の謎を追う医療ミステリー。

 ちょっと前に話題だったので、読んでみました(私のベストセラー読書はいつも数年遅れ)。
「ぐいぐい引っ張っていくような」「スピーディ」という噂通り、勢いあまって2日で読み切りました。犯罪どころか、事故が起きたのか、起きなかったのか、それすらわからない、という設定のミステリーなんて意外。
 文章がうまいと言うべきなのか、わからないけれど、譬えや話の転換が軽妙で厭きないのですね。まったく、至れり尽くせりな小説でした。

 病院組織内の中とも外ともいえない微妙な立ち位置を得て、日々を穏やかに過ごす田口医師。しかし、同病院の有名、敏腕外科医・桐生とその手術チームの心臓手術で術死が相次いだことから、病院長から「医療事故か、否か、内密に調査して欲しい」と依頼されます。
 公に調査委員会にかけるべきか、本当に単なる事故なのか――そもそも、自分がするべきことではないのではという彼の疑問をよそにあらたな手術 が行われます。
 心臓手術についての説明も、さすがに医学的にはわかりませんが、話の筋についていくのに必要なだけの情報はさくっとまとめられています。

 そして、田口の調査が行き詰まりかけたところで厚生労働省から派遣された、もう一人の主人公である白鳥が登場。
「ロジカル・モンスター」のあだ名の通りにその論理的思考で周囲を驚かせ、且つその論理性以外は例えようもなく「イヤな奴」という、かなり個性的な探偵です。人のいいワトソンの調査が行き詰ったところで、天才探偵の登場、というところでしょうか。

 一連の術死は、桐生の技量不足か、チームの連携ミスか。いや、考えたくはないが、何者かによる悪意の結果なのか。白鳥と田口コンビの追及で事態は動いていく。

 大変おもしろかったです。すべてにおいてそつがなく、そこがまた「イヤな奴だなー」と思うような作品(しかも、おや、この形容は桐生と白鳥の両方に使えますね)。
 ひとつだけ不満だったのは、犯人の動機。せっかく(?)病院組織の盲点とか現代医療の抱える問題のようなことにまでふれていて読み応えがあるので、もうちょっと「ありそうな動機」にすればいいのに。
 まあ、著者は現役のお医者さんだそうなので、そんな方向に頭を使ってほしくはないかもしれない。
(2013.5.10)


「ナイチンゲールの沈黙 上」「下」 宝島社文庫
海堂尊 著

   ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

   ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)


東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜は子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患者の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく。

 東城大学病院が舞台の第二弾。勢いある文章に乗せられて、一息に読み終わりました。
 前作よりもサスペンス色が強くなりました。病院を舞台とする必然があまりないようにも思えて、そこはちょっと物足りないですかね。田口医師も出番が多い割には活躍しなかったし。私は田口・白鳥コンビが好きなので、刑事さんたちはいなくてもいいのです。

 印象的な視覚イメージが多く描かれていて、面白かった。
 歌声が聞く人の脳に映像を「感じさせる」ことができる、というのは科学的にありえるのかどうかわかりませんが、他には見ないような独特のモチーフでした。見たい、忘れたくない、思い出した風景。それにまつわる感情――それらが犯人特定の場面へとつながっていくところが面白かったです。

 謎とき自体は単純というか、ヒントがそれらしく目についてしまうので、推理小説ファンには物足りないかも。私は推理はお話の味つけとして読むので(おい)無問題。田口医師がもっと活躍してくれればと願いつつ、第三弾を読んでみます。
(2013.8.30)


「ジェネラル・ルージュの凱旋 上」「下」 宝島社文庫
海堂尊 著

   ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

   ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)


伝説の歌姫が東城大学医学部付属病院に緊急入院した頃、不定愁訴外来担当の田口公平の元には匿名の告発文書が届いていた。“将軍(ジェネラル)”の異名をとる、救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという。高階病院長から依頼を受けた田口は調査に乗り出す。

 前作「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行している事件を扱ったストーリーで、こちらはミステリーというより医療現場の問題を追っています。

 常に定員いっぱいのICUを切り回しながら、ドクター・ヘリの導入実現を求めるカリスマ医師(すごい言い方)・速水に業者との癒着疑惑が持ち上がり、その調査に田口は駆り出されます。前作の主人公・小夜の親友である看護師・翔子を中心に話が進み、病院内の派閥争いも絡んでどろどろの展開です。おもしろーい(笑)

 東城大学病院を戦場に譬えるなら、その中心に立つのが速水。
 彼がジェネラル・ルージュの異名を得たきっかけは、他に采配を振るう者がいない緊迫した状況下で救急治療の陣頭指揮をとり、たくさんの患者の命を救ったから。エンターテイメント小説としてかなり派手に演出された役回りの人物ですが、その責務の重さと孤独さは海洋小説の艦長を思わせます。
 しかし、彼が長年悲願としてきたドクター・ヘリは病院経営の金勘定の前になかなか飛び立ってはくれない。医療現場の抱える矛盾や問題を考えさせられました。

 私のツボは看護師の女性たち。そういえば、今は看護婦とは言わないらしい。彼ら看護師さんの苦労ぶり、気概、団結の強さが伝わってきて、本当にかっこよかった。

 泣き言は言わないこと。大丈夫、やることはいつもと同じよ。ひとつひとつの動作に集中すればいいの。
 びびるな。負けるな。あたしはあんたたちを、こんなことでへこたれるような、ヤワな看護師に仕立てたつもりはないわ。



 伝説の将軍も悪くはないのだけど、やっぱり私はナースたちの方が好きでした。
 名前ばかりでとらえどころのなかった姫宮も最後の最後で活躍。あんまり働かなかったのは、やっぱり今回も田口だったかもしれない。この著者、ほんとうに何もしない主人公が好きですね。
(2013.9.12)


「ジーン・ワルツ」 新潮文庫
海堂尊 著

   ジーン・ワルツ (新潮文庫)


帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで五人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていた──。生命の意味と尊厳、そして代理母出産という難問に挑む医学エンターテインメント。

 テンポよく、飽きさせない展開。理恵が学生に語る、生命誕生の奇跡的確率の話は本当に面白く、また「そんなに稀なことなのですか」としみじみした思いになりました。

 ですが、全体としては不満を感じるお話でした。命の尊厳を語る人物の行動がこれでは、どうしても傲慢に見えてしまうのですよね。法に触れなければいいという事でもないと思うのですよ。法がいかに時代錯誤なものであってもね。
 Dデイの手術スタッフも集められない病院を軸に、赤ちゃんポストから保育施設、地域医療にまで手を広げようというのは無理が過ぎるんじゃないかと思ってしまうのですが。妙高さんやおばあちゃん先生に頼るのも限度というものが……。

 現代の医療、病院が抱える問題がいろいろあるんですねえ、と広く世に知らせるのが作品の目的なら、それには適っていると思います。ただ、あまりに理恵が身勝手に見えるので、理解や共感にまでつながらないような気がします。
(2013.6.10)


「ブラックペアン1988」上・下 講談社文庫
海堂尊 著

   ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)

   ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)


1988年、世はバブル景気の頂点。「神の手」をもつ佐伯教授が君臨する東城大学外科教室に、帝華大の「ビッグマウス」高階講師が食道癌の手術を簡単に行える新兵器「スナイプ」を手みやげに送り込まれてきた。

 面白かったですね! 外科医として歩み出したものの現実にはいかに無力であるかと気づいて茫然とする新米医師・世良、彼の目で見た医局内の葛藤、製薬会社との暗黙の了解と取引。もりだくさん、忘れ物なし! という充実感です。忘れ物はあったんですけど。。。

 一部の天才だけでなく、より多くの医師が難しい手術をこなせるようにと新技術の医療機器導入をすすめる高階。
それに対して、長年培った高い技術を自負する佐伯教授。そして、一見いい加減で天才肌の外科医・渡海。
 この3人が三つ巴というか、跋扈するしっぽにしがみついて振り回されるのが主人公の世良、という構図がおかしい。普通の小説ではありえないくらい登場人物のパワーバランスが不均衡なのですが、そこが面白いと思いました。こんなお医者さんが本当にいるのかな、と考えると病院に行きたくなくなりますが。

 一番、面白かったのは佐伯教授と高階医師ですね。
 高階が目指す医療環境は、佐伯が築いてきた病院の体制とは真っ向から反対するものなのですが。若い医師が突き進んでいく足元の危うさを佐伯が指摘してみせる場面は、単に新旧対決にとどまらない迫力がありました。

 難を挙げるなら。
 すべて、お医者さんの都合で話が進むこと。あの、あの、患者はどこにいますかね?
 そして、トリックをつくる上で仕方なかったのでしょうが……読み終わって思わずひとこと。「え? ちゃんと口に出して言えばよかったのに」でした。身もフタもないですかね。
(2013.6.18)


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